レピュテーションリスクを回避する8つの方法とは?リスク発生時の対処法や測定方法なども紹介

SORILa編集部

目次

「レピュテーションリスクの回避方法とは」
「レピュテーションリスクが発生したときの対処法は?」
「レピュテーションリスクの測定方法とは」

一度発生すると企業に大きなダメージを与えかねないレピュテーションリスクは、未然に回避することが非常に重要です。レピュテーションリスクの回避方法にはさまざまあり、原因に合わせたものを選択しなくては、高い効果が期待できないでしょう。

しかし、レピュテーションリスクを回避するためには、社内にSEOなどの知識やスキルを持つスタッフがいなければ、適切な対応が難しいかもしれません。そこで今回は、レピュテーションリスクの8つの回避方法やおもな原因、発生時の対処法などについて解説します。

これからレピュテーションリスク対策を検討する方は、必見の内容です。

レピュテーションリスクとは

レピュテーションリスクとは、ネガティブな情報が世間に広がることによって、自社や商品、サービスなどが被るリスクの総称です。なお、レピュテーション(reputation)とは、日本語で評判や名声と訳されます。

レピュテーションリスクが発生した企業は、収益やブランドに大きなダメージを受ける可能性が高いでしょう。そのため、レピュテーションリスクを未然に回避するための施策実施は、すべての企業において必須です。

なお、レピュテーションリスクがどのようなものかについては、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご確認ください。

レピュテーションリスクとは?被害や原因、具体事例などを解説

レピュテーションリスクが重要度を増す背景

近年、企業におけるレピュテーションリスクが重要視される背景には、いくつかの理由があります。ここでは、レピュテーションリスクが重要度を増す背景を確認しておきましょう。

SNSの普及

企業におけるレピュテーションリスクの重要度が上がった理由の1つが、SNSの普及です。
SNSの普及により社会的認知度や好感度が、これまで以上に企業やブランドの評価に影響を与えるようになっています。

個人が会社に対する批判などを容易に投稿でき、再投稿による拡散機能も整備されているため、一度会社の悪評が投稿されてしまうと、あっという間に社会全体へ広がってしまう可能性が高いでしょう。したがって、すべての企業がレピュテーションリスクを回避するため、SNSへの対策が必要です。

コンプライアンス意識の高まり

社会的なコンプライアンス意識が高まっていることも、レピュテーションリスクの重要度を増す理由といえるでしょう。従業員が顧客情報を持ち出したり、紛失したりするなど、ITリテラシーや情報セキュリティへの意識の低さが、レピュテーションリスクのおもな原因です。

多くの企業が社員教育に注力し、コンプライアンス意識を高めることにより、レピュテーションリスクの軽減に努めています。

サプライチェーンの可視化

企業がさまざまな情報を開示することでサプライチェーンが可視化されたことにより、事業活動における環境や人権などに対する配慮がよりいっそう求められるようになりました。近年、事業活動がどのような形で行われているかが、顧客や投資家が起業を選ぶ基準の1つになっています。

そのため、サプライチェーン上流のエコシステムまでトレースされ、企業側のレピュテーションリスク対策の範囲が多岐にわたっている状況です。

レピュテーションリスクの被害にあった事例

レピュテーションリスクによって、具体的にどのような被害を受ける可能性があるのでしょうか。ここでは、実際にレピュテーションリスクの被害にあった企業の事例をご紹介します。

フランチャイズ店の倒産

某ピザチェーンのフランチャイズ店で、アルバイトスタッフが不適切な行動をSNSに投稿した事例があります。その投稿が拡散されると企業の評判は大きく損なわれ、最終的にフランチャイズ店は倒産する事態に至りました。該当する投稿に対して抗議の声が多く寄せられ、結果として顧客の信用を回復できず、経営が破綻したそうです。

この事例から、企業の評判やブランドイメージが悪くなると、それがレピュテーションリスクへ発展し、結果的には企業の存続に影響を及ぼす可能性があることがわかります。特にSNSの普及により、情報が瞬時に広まるため、企業は従業員の行動に対する指導や監督を徹底し、レピュテーションマネジメントを行うことが重要です。

情報漏洩による巨額赤字

教育関連の大手企業が情報漏洩事件により大きなレピュテーションリスクを被りました。流出した顧客情報は最大で3,504万件にも及んだそうです。この事件は2014年に発覚し、その後の影響は深刻でした。特に、この企業の経営に対する打撃は大きく、2014年4~6月期の連結決算は136億円の最終赤字です。

さらに、2015年4~6月期の連結決算でも、売上高は前年同期比7.0%減の1,074億円、営業利益は87.5%減の6億2,300万円、最終損益は4億1,900万円の赤字となりました。

この事件は、企業が情報管理に対してどれだけ重視すべきかを示す事例といえるでしょう。また、情報漏洩によるレピュテーションリスクが、企業の経営にどれほど深刻な影響を及ぼすかを明確に示しています。この事例は、他の企業にとっても大きな教訓となりました。

産地優良誤認表示による売上低迷

食品業界において、商品の産地表示に誤りがあった事例があります。この誤表示が発覚したことで、消費者からの信頼を失い、売上が低迷する結果となりました、

産地優良誤認表示による売上低迷の事例は、以下のとおりです。

  • 食品の原材料表示:某企業は、自社の商品に「あきたこまち」を使用していると表示していたが、実際にはブレンド米を利用
  • 食品の産地表示:某企業が「国産ハチミツ」と表示していたにもかかわらず、実際には外国産のハチミツ
  • 飲食店のメニュー表示:某レストランでは「天然のマグロやトラフグ」を使っていると表示していたが、実際には養殖魚を使用

このような誤った表示は、消費者が期待した品質と異なる商品を提供することにつながり、結果的に顧客満足度やリピート率に影響を及ぼす可能性があります。企業は商品やサービスの情報を正確に表示することで、消費者からの信頼を維持し、長期的な成功を確保することが可能です。

逆に誤った情報を提供すると、レピュテーションリスクが高まり、売上やビジネスパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。

レピュテーションリスクのおもな原因は3つ

レピュテーションリスクの原因はたくさんありますが、代表的なものは「企業の不祥事」「従業員の不祥事」「風評被害」の3つです。それぞれの原因について、内容を確認しておきましょう。

レピュテーションリスクの原因1.企業の不祥事

企業の不祥事は、レピュテーションリスクの代表的な原因のひとつです。例えば、悪質な商品や質の低いサービスを提供した結果、顧客のネガティブな口コミが広がり、評判が下がるレピュテーションリスクの発生率は高くなります。また、脱税や下請けいじめなどの違法行為が行われている企業においても、レピュテーションリスクの発生確率は高いでしょう。

企業の不祥事によって発生したレピュテーションリスクの具体例としては、某大手広告代理店の新入社員が、長時間残業の末うつ病を発症し、自殺に追い込まれた事件がありました。自殺した社員の両親が企業を訴え、多額の賠償金を支払う判決が下ったことに加え、同社の評判は著しく悪化しました。

レピュテーションリスクの原因2.従業員の不祥事

従業員の不祥事も、レピュテーションリスクの原因になり得ます。正社員をはじめ、契約社員や派遣社員、そしてアルバイトも対象です。さらに、経営陣の不祥事によって、レピュテーションリスクが発生する場合もあります。

バイトテロ以外にも、従業員がSNSで不適切な内容の投稿を行った結果、炎上して勤めている会社を特定され、レピュテーションリスクにつながる可能性があるでしょう。また、経営陣の不倫など、不適切な行動が表ざたになることで悪評が広がり、レピュテーションリスクが発生するケースも多いです。

レピュテーションリスクの原因3.風評被害

事実無根の悪評による風評被害も、企業のレピュテーションリスクにつながる可能性があります。たとえ事実でなかったとしても、自社の商品やサービスの悪評が広がってしまうことによって、多くの方が事実だと誤認し、著しく評判が悪くなることもあるのです。

特に深刻なレピュテーションリスクのひとつが、検索エンジンにおけるネガティブなサジェストキーワードでしょう。例えば、ある飲食店をユーザーが検索した際、「〇〇 最悪」「〇〇 まずい」「〇〇 不潔」といったサジェストキーワードが表示されると、来店しようと思う方が少なくなることは想像に難くありません。

最悪の場合、自社サイトよりも誹謗中傷のコメントやコンテンツが掲載されているサイトのほうが、検索順位は高くなることもあります。その場合は、挽回するまでに多くの時間を要するでしょう。

企業がレピュテーションリスクを回避するべき4つの理由

レピュテーションリスクを放置すると、企業は多大なダメージを被る可能性が高いです。企業がレピュテーションリスクを回避するべき理由は、おもに以下の4つが挙げられます。

1.社会的信用の低下を回避するため

企業がレピュテーションリスクを回避するべき1つ目の理由は、社会的信用の低下を回避するためです。言うまでもなく、企業活動は社会的信用のうえに成り立っています。

そのため、社会的信用を失った企業の商品やサービスを受けたいと思う方は、少なくなるでしょう。また、取引を断りたいという株主やステークホルダーが現れる可能性もあります。

社会的信用を失った企業は継続的な事業活動が困難になるため、収益が悪化し、最悪の場合、倒産に追い込まれる可能性もあるしょう。したがって、レピュテーションリスクの回避は、すべての企業が取り組むべき施策といえるのです。

2.顧客離れによる業績悪化を回避するため

レピュテーションリスクを回避しなくてはいけない2つ目の理由は、顧客離れによる業績悪化を回避するためです。自社の商品やサービスの評判が下がってしまうと、どれほどプロモーションを行っても、購買や利用につながらない可能性が高くなります。

その結果、顧客がどんどん離れ、商品やサービスが売れなくなり収益は悪化するでしょう。放置することによって、被害の範囲が広がり、取返しのつかない状況に陥る可能性もあります。したがって、自社商品やサービスのネガティブな情報をネットやSNSで見かけた場合には、速やかな対策が必要です。

3.信用回復にかかるコストの発生を回避するため

レピュテーションリスクが発生し顧客や社会の信用を失うと、回復するために多くのコストと工数が発生するため、未然に回避することは非常に重要です。商品やサービスの評判やブランドイメージは、一度悪くなると元に戻すことが困難になります。

信用の回復に努めている間、収益がどんどん悪化し、志半ばにして倒産する企業も後を絶ちません。また、信用を回復するまで企業の収益は下がることが多いので、大きなダメージを被ることになるでしょう。

4.人材採用への悪影響を避けるため

企業の評判が悪化すると、優秀な人材を引き寄せることが難しくなります。近年、求職者が企業の評判を重視する傾向にあるためです。そのため、レピュテーションリスクへの対策を怠ると、従業員の不注意や不祥事など、思いもよらぬ要因によって企業やブランドのイメージが下がることもあるでしょう。

具体的には、企業の不祥事や従業員の不祥事、風評被害などにより、企業の評判を大きく損なった結果、優秀な人材の採用が難しくなる可能性があります。また近年は、SNSの普及により誰もが発言力を得られる時代になっており、匿名の投稿で真偽不明の情報の場合でも、企業が信用を失うリスクがあるため注意が必要です。

したがって、企業はレピュテーションリスクを回避し、良好な評判を維持しなければ、優秀な人材を採用したり、長期的な事業活動を継続できなくなったりする可能性が高いでしょう。

レピュテーションリスクの測定方法

自社のレピュテーションリスクがどの程度のものなのかを把握することは、対策を講じるうえで非常に重要です。ここでは、レピュテーションリスクのおもな想定方法をご紹介します。

評価モデルの使用

評価モデルとは、企業のレピュテーションリスクを測定するために、企業の評判に影響を与える要因を定量化し、数値化するモデルです。具体的な評価モデルは、業界や規模、地域などに応じて異なります。

評価モデルは企業の財務情報、社会的責任、顧客満足度などの要因を考慮して算出することが一般的です。企業がリスクにさらされる可能性が高いと判断された場合、そのリスクを軽減するための対策を講じやすくなります。

定量的データの分析

定量的データの分析とは、企業の評判に影響を与える要因を数値化し、評価する方法です。
この方法では企業の財務情報、社会的責任、顧客満足度などの要因を考慮して、レピュテーションリスクを評価します。

ただし、数値によるデータだけでは、具体的にどのようなリスクなのかを把握することが困難なため、以下で紹介する定性調査の実施も必要です。

ステークホルダーアンケート

ステークホルダーアンケートとは、企業が自社にとって特に重要なステークホルダーを特定し、エンゲージメント(関与)を行うことにより、取り組むべき社会課題や事業への潜在的なリスクを明らかにする手法です。ステークホルダーには顧客や従業員、株主など、金銭的に利益や損失を受ける人だけでなく、企業活動によって何らかの影響を受けるすべての人や団体が含まれます。

ステークホルダーアンケートでは、各ステークホルダーからフィードバックを得ることで、その期待度や関心度を調査できます。エンゲージメントの形は、説明会や対話、アンケートなどさまざまです。ステークホルダーアンケートは定性調査ですが、一部数字で回答する場合は、定量的データへフィードバックもできます。

ソーシャルメディアモニタリング

ソーシャルメディアモニタリングとは、企業が自社の評判やブランドイメージを管理し、レピュテーションリスクを評価・軽減するための定性調査の1つです。これにより企業は、自社や製品に対する消費者の意見や感情をリアルタイムで把握し、必要な対策を迅速に講じられるようになります。

ブログや掲示板、X(旧Twitter)、Facebook、YouTube、InstagramなどのSNS上で、企業や製品、サービス、またそれに関する分野がどのように書かれたり、議論されたりしているかをウォッチすることが、ソーシャルメディアモニタリングの一般的な方法です。

こちらと似た言葉に「ソーシャルメディアリスニング」があります。ソーシャルメディアリスニングとは業界やブランド、またブランドに関連した話題についての幅広い会話にアクセスすることで、顧客動向を理解しキャンペーン戦略の改善につなげる施策です。したがって、両者はまったく違う施策といえます。

レピュテーションリスクを回避する方法8選

レピュテーションリスクを回避する方法はたくさんありますが、本章では代表的なものを8つ紹介します。貴社の課題と照らし合わせ、最適な方法を検討・実施しましょう。

1.従業員教育の徹底

レピュテーションリスクの原因の1つである、従業員の不祥事を抑制するためには、従業員教育を徹底する必要があります。自身の行動によって、企業だけでなく自分にも大きなリスクがあることを認識しておかなければ、レピュテーションリスクの発生を抑えることはできません。

例えば、従業員へのネットリテラシーを高めるためや自社が大切にしている提供価値を再確認させるための、E-ラーニングや講習会を実施することなどが考えられます。また、従業員の意識を改革するためには、社内のコンプライアンス強化と教育の徹底も必要です。

2.労働環境の改善

従業員が働きやすい労働環境を整備することも、レピュテーションリスクを回避するための方法として有効でしょう。レピュテーションリスクが発生する原因の1つである、内部告発は劣悪な労働環境で働く従業員によって実施される可能性が高いからです。

例えば、セクハラやパワハラを看過しない就業規則の整備や相談先の設置、長時間残業をさせない内部統制、風通しのよい企業文化の醸成などを実現することによって、社内の労働環境が改善されます。また、リモートワークやフレックス制度の導入、年休・育休といった福利厚生の強化によって、従業員のワークライフバランスの適正化やQOLの向上につながる施策の実施も重要です。

3.商品・サービスの質の維持・向上

自社で提供する商品やサービスの質を維持・向上することは、レピュテーションリスクを回避するために欠かせない取り組みです。商品やサービスの質が悪くなると、クレームや悪評の原因になります。

また自社や商品、サービスに対するネガティブな評判がSNSで拡散すると、さらに大きなダメージにつながるでしょう。したがって、自社が大切にしている提供価値の質を維持・向上するための活動は、すべての企業が日常的に取り組まなくてはいけません。

4.経営状況の改善

レピュテーションリスクを回避するために、経営状況の改善が必要になる場合もあります。

経営状況が悪化すると、労働環境や待遇、福利厚生などに悪影響を与え、従業員の不満が大きくなるためです。また、提供するサービスや商品の質が悪化する可能性もあるでしょう。

さらに、経営状況が悪化したことを従業員が知ることによって、離職率の向上につながったり、転職サイトなどにネガティブな情報を投稿されたりすることで、採用活動に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、企業の生産性が下がり、最悪の場合、継続的な活動が困難になる事態も想定されるでしょう。

5.広報活動の強化

レピュテーションリスクを回避するためには、広報活動の強化も欠かせません。企業側から積極的なポジティブ情報の発信や広報活動を行うことによって、顧客や社会の評価を高めることが大切です。

企業名や商品、サービスがメディアに露出する頻度が高まることによって、企業の評価も高まる可能性が高くなります。一方、露出が減ることによって、評価は下がる可能性が高いです。

そのため、企業の広報担当者は、自社から発信する情報の質と量を適切にコントロールすることによって、レピュテーションリスクを回避しやすくなるでしょう。

6.怪しい企業や人物の調査

従業員や取引先に怪しい動きがある場合は、探偵などに依頼して調査を行うことによって、レピュテーションリスクを回避できる場合があります。ただし、探偵を雇うためにはそれなりのコストが必要です。また、対象となった企業や人物にバレることで、逆にレピュテーションリスクにつながる可能性もあるため、実施の可否については慎重に判断しましょう。

そのため、よほど怪しい動きやうわさなどがない限りは、探偵や調査会社などへの依頼は避けるべきです。基本的には、怪しい人物の採用や、怪しい企業との取引を避けることが無難だと思われます。

7.誹謗中傷対策の実施

レピュテーションリスクを回避するためには、誹謗中傷対策の実施が有効です。誹謗中傷コンテンツやコメントを早期に発見し、炎上リスクを抑制できます。例えば、ネット監視サービスやモニタリングツールなどを導入し、自社や商品、サービスの悪評を監視する方法などが一般的です。

またWebサイト、SNSなどに良質なコンテンツを量産し、自社に対する評価を高める方法なども、レピュテーションリスクを回避するためには効果的でしょう。誹謗中傷コンテンツが掲載されているサイトよりも、自社サイトが上位にすることで誹謗中傷による被害を抑制できます。

8.クライシスコミュニケーション対策 

レピュテーションリスクを回避するためには、クライシスコミュニケーション対策も必須です。クライシスコミュニケーションとは、不測の事態が発生した際、その影響やダメージを最小限に留めるための情報開示を、迅速にステークホルダーへ伝える活動をさします。

レピュテーションリスクが発生しそうな段階で、社会やステークホルダーに適切な情報を、然るべきタイミングで伝えることによって、ダメージの抑制につながるでしょう。ただし、情報開示が遅れ「情報を隠蔽している」と判断された場合、さらに事態が悪化する可能性は高まるため、正しい情報をメディア経由で迅速に出せる体制を構築しておく必要があります。

したがって、企業側はクライシスコミュニケーションのガイドラインを策定し、万が一の事態が起きた際、スムーズに対応できるよう準備が必要です。

レピュテーションリスクが発生したときの対処法

レピュテーションリスクを回避するための施策を実施していた場合でも、完全に抑えることは不可能です。そのため、万が一レピュテーションリスクが発生したときに備え、対処法についても確認しておきましょう。

状況の把握と原因の特定

レピュテーションリスクに対して適切な対応をするためには、まず状況の把握と原因の特定を速やかに行うことが大切です。さまざまな情報が錯そうするため、正しい情報を見極め、適切に対処しなくてはいけません。

そのため、事前に社内の危機管理マニュアルを整備し、そちらの内容に即した形で対応できるように準備が必要です。被害状況や原因の特定、事実関係の把握を最優先で行い、今後の対応方針を決めることがレピュテーションリスクの発生後、最初に実施するべき活動といえます。

企業側から正確な情報を速やかに公表

レピュテーションリスクによる被害状況や原因の特定、事実関係の把握ができたら、株主や取引先に対して、速やかに情報を共有しましょう。迅速に対応しないと、株を売られたり、取引を停止されたりするリスクが高くなります。前述したクライシスコミュニケーション対策の検討時に策定したガイドラインに即して、適切な対応を行いましょう。

自社のホームページ上で、把握した事実と今後の方針を発表することも必須です。また、自社に非があった場合には、謝罪も忘れずに行いましょう。自社からの情報発信が遅れると、レピュテーションリスクの被害が大きくなるかもしれないので、早めに対処することが大切です。

ネガティブコンテンツを掲載している企業などへの交渉

レピュテーションリスクの原因となるコンテンツや投稿が掲載されているサイトを特定できた場合は、発信者情報開示請求と削除請求を行いましょう。なお発信者情報開示請求とは、SNSや掲示板などにネガティブコンテンツを投稿したユーザーの名前や住所といった、個人情報の開示を求める手続きです。

ネガティブコンテンツを掲載している企業や投稿した本人と交渉することによって、原因を排除できます。また、根拠のない風評被害に対しては、弁護士や警察への相談も視野に入れましょう。

逆SEO対策の実施

逆SEO対策の実施も、レピュテーションリスクへの代表的な対処法です。誹謗中傷コンテンツ、コメントが掲載されているサイトよりも、自社サイトの順位を上位表示させることによって、被害を抑えられます。

また「〇〇詐欺」「〇〇ブラック」といった、サジェストキーワードを表示させない施策実施のためにも、逆SEO対策は有効です。なお、逆SEO対策に関する情報は、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご確認ください。

・関連記事

逆SEO対策とは?具体的な方法を8つ紹介(←今月入稿した別記事への内部リンクを設置してください)

再発防止策の検討・実施

レピュテーションリスクによって発生した事態が収束したら、それで終了というわけではありません。同じ轍を踏まぬよう、対策防止策を検討することが必要です。

前述したレピュテーションリスクを回避するための方法を実施しつつ、危機管理マニュアルの内容を刷新するなど、再発防止の仕組みづくりが求められます。レピュテーションリスクが発生しない仕組み作りを実現するためには、自社内の知見だけで解決しようとせず、専門の業者や弁護士などに相談することも大切でしょう。

自社のレピュテーションリスクを測定する方法

自社がレピュテーションリスクにさらされているかどうかを把握するためには、なんらかの方法による調査が必要です。そこで本章では、自社のレピュテーションリスクを測定する2つの方法を紹介します。

SNSを活用したエゴサーチ

SNSを活用したエゴサーチは、自社のレピュテーションリスクを測定するために有効な方法です。エゴサーチとは、SNSで自社名やサービス名、ブランド名の検索をかける行為で、自社がどのように評価されているかをリサーチできます。

自社に関連するネガティブな投稿がないかチェックするためには、TwitterやFacebook、Instagramなどで、自社に関する投稿内容を定期的にエゴサーチする運用が必要です。

アンケート

顧客や取引先、また株主や従業員などに対してアンケートを実施することによって、自社のレピュテーションリスクを測定できます。アンケートの結果、自社にとってネガティブな意見があった場合は、迅速な対応が必要です。

特に商品やサービス、ブランドなどへの意識調査は、できるだけ定期的に行い、レピュテーションに変化がないか定点観測を行いましょう。

レピュテーションリスクを回避できる体制構築が必須

レピュテーションリスクは未然に防ぐことが重要です。そのためには、先に挙げた以下8つの回避方法の中から、貴社の課題解決につながるものを実施しましょう。

  • 従業員教育の徹底
  • 労働環境の改善
  • 商品・サービスの質の維持・向上
  • 経営状況の改善
  • 広報活動の強化
  • 怪しい企業や人物の調査
  • 誹謗中傷対策の実施
  • クライシスコミュニケーション対策

しかし、レピュテーションリスクの適切な回避方法を実施するためには、それなりの知識やスキル、そして経験が必要な部分は否めません。そのため、レピュテーションリスクを回避するための体制を社内に構築できたとしても、炎上する可能性があります。そのような場合は、やはりプロに任せるのがおすすめです。

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