「言論の自由」と「誹謗中傷」の関係性からみる炎上対策とは

SORILa編集部

誹謗中傷の悩み1

最終更新日 2024.02.20

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近年、企業でも誹謗中傷対策が重視されつつあります。
誹謗中傷と言論の自由とは、相反する考え方のようにも捉えられますが、どこまでが言論の自由として認められるのでしょうか?
本記事では、誹謗中傷と言論の自由について、そして企業がとるべき対策はどういったものかを詳しく解説します。

なお、すでに何かしらの誹謗中傷を受けており、その対策に悩まれている方は、急ぎプロの業者にご相談されることをおすすめします。

インターネットでの誹謗中傷は年々増加の傾向にある

インターネットにおける誹謗中傷は、年々増加傾向にあることをご存じでしょうか。

法務省によると、平成31年から令和元年におけるインターネット上での人権侵犯事件は1,985件ありました。
これは、平成22年の680件と比べて、およそ3倍にまで伸びています。
インターネットの誹謗中傷から、自殺にまで追い込まれるケースも発生しています。では、どうして誹謗中傷が増加しているのでしょうか?

その理由のひとつに、SNSの普及が考えられます。SNSは匿名性があり、普段なら発言しないような言葉も発しやすくなっています。
そのため、攻撃的な発言をしてしまうことも多く、誹謗中傷につながってしまうケースが見られます。
また、表現の自由とプライバシーの侵害や誹謗中傷の線引きが曖昧で、多少過激な発言をしても許されると考えるユーザーも多いようです。

加えて、インターネットにおける誹謗中傷の相手を特定し、罪に問うには、プロバイダーなどに情報開示を求めなければなりません。
しかし、正当な理由がないとして、情報開示を認められない場合も多く、被害者側は泣き寝入りすることも多々あります。
逆にいえば、加害者側は罪に問われにくいため、誹謗中傷となるような発言をしやすいという状況にもつながるのです。

(参照元:法務省:平成31年及び令和元年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)~法務省の人権擁護機関の取組~

自己表現が守られる言論の自由とは?

誹謗中傷も、捉え方によっては自己表現、つまり言論の自由の範疇にあると捉えることもできてしまいます。
このように、誹謗中傷と対をなす考え方といえるのが、言論の自由です。

言論の自由は憲法で保障されている

言論の自由は、表現の自由という権利の一部として、憲法によって認められている権利です。
憲法では、日本国憲法第21条において、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と明記されています。

そもそも、民主主義は表現の自由がなければ成り立ちません。
そして、個人が自己表現を通して自分らしく生きていくために必要です。
表現の自由は、誰からも侵害されてはならないのです。

自己実現の価値と自己統治の価値

表現の自由(言論の自由)は、「自己実現の価値」と「自己統治の価値」という2つの価値を持っています。

・自己実現の価値
自分の意思を外部に対して表現することで、自己実現をする(自己の人格を発展させる)価値。理想的な自分になるために、自己表現や他者表現によって考え方を深め、成長できる。

・自己統治の価値
自己表現をすることで、政治的な意思決定に参加できるという価値。民主主義において最も重要ともいえる権利で、話し合うことによって、社会の方向性を決めることができる。

このように、表現の自由には2つの大きな価値があるため、重要な権利であると考えられています。

表現の自由には制約・規制がある

上記で述べた通り、表現の自由は非常に重要な権利のひとつであり、憲法21条によって保障されており、自分らしく生きるためにも必要で、だれにも侵害をされてはならないものです。

しかし、制約も存在し、すべてが認められる訳ではありません。その制約とは、プライバシー権や名誉権などの兼ね合いです。

たとえば、企業の評判が落ちるような発言や、公益目的でない不適切な発言の場合、名誉毀損として訴えられる可能性が出て来ます。
このように、ほかの権利との兼ね合いで、表現に規制がかかることもあります。

インターネットでの誹謗中傷は犯罪になる可能性がある

誹謗中傷による犯罪

いくら言論の自由が認められているからといって、第三者が傷付くようなことを何でも発言してよい訳ではありません。
インターネット上の誹謗中傷は、さまざまな罪に問われるおそれがあります。
どのような犯罪に該当するのか、確認してみましょう。

名誉毀損罪

名誉毀損罪は、相手の社会的な地位や名誉を下げるような書き込みがなされた際に適用されます。
たとえ事実でなくても、罪に問われる可能性があり、成立した際には、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」と刑法230条において定められています。

脅迫罪

脅迫罪は、相手の生命・身体・自由・財産に対して害を与えるような書き込みがなされた際に適用されます。
実際に行動に移さなくても脅迫罪は成立し、その場合、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処する」と刑法230条において定められています。

侮辱罪

侮辱罪は、具体的な事実なしに相手を侮辱するような書き込みをした際に適用されます。
とくに、抽象的な誹謗中傷は、侮辱罪として捉えられる可能性が高いといえます。
侮辱罪が成立した際には、「拘留又は科料に処する」と刑法231条において定められています。

信用毀損および業務妨害罪

信用毀損および業務妨害罪は、主に企業の評判を落とすような書き込みや発言によって売上が減少したり、顧客対応を迫られたりすることでサービスへの支障があった際に適用されます。
成立すると、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と刑法233条において定められています。

他人ごとではない。インターネットで誹謗中傷を受けた時の企業対策

平成31年に警察庁から発表されたデータによると、平成30年に警察に寄せられたインターネット上の誹謗中傷に関する相談は、1万件以上あります。

(参照元:平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について – 警察庁

このように、誹謗中傷被害は身近でも起こりえます。最悪のケースに備えて、対策法を知っておくに越したことはありません。

以下では、誹謗中傷を含んだ書き込みや投稿などへの対処法を紹介します。

誹謗中傷が掲載されているサイトやSNSの規約を確認する

SNSや掲示板、Webサービスでは、基本的に誹謗中傷を含む投稿を禁止しています。
まずは、投稿が掲載されているサイトの利用規約を確認しましょう。
規約に違反しているようなら、該当の投稿を削除するよう依頼できます。

しかし、個人で運営しているサイトや、海外のWebサービスの場合は、連絡が取れなかったり、スムーズに削除に応じてくれなかったりするケースもあります。

書き込まれた誹謗中傷の証拠を確保する

インターネットでの誹謗中傷を発見した場合、まずは該当する投稿をキャプチャーして保存しましょう。

サイト・SNSへの投稿は、投稿者本人に削除されてしまうと立証が困難です。
確実に証拠を確保してください。告訴したり損害賠償請求したりする際に用います。

サイト・SNSへ削除依頼を行った際にもキャプチャーをしておきましょう。

掲載媒体に削除を依頼

誹謗中傷の証拠を確保したら、投稿の削除依頼を行います。
TwitterやFacebookは、ダイレクトメール(メッセンジャー)で投稿者と直接やり取りができる仕組みですが、新たなトラブルを招くおそれもあるためおすすめしません。

運営元に削除依頼しましょう。

Twitterでは[ヘルプセンター>お問い合わせ]から、Facebookでは各投稿の[投稿を報告]から申請できます。
5ちゃんねるの書き込みやAmazonのカスタマーレビューなども、専用フォームや各投稿から削除依頼が可能です。

掲載媒体への対応を行う際も、誹謗中傷の内容や削除要請をキャプチャーで保存することが重要です。

削除に応じてもらえない場合は法的措置も検討

掲載媒体に削除依頼したからといって、確実に削除してもらえるとは限りません。
こうしたケースでは、裁判所への仮処分の申し立てや、損害賠償請求など法的措置を取ることになるので、弁護士へ依頼しましょう。

なお、弁護士へ依頼するなら、被害が発覚してからすぐに動くことをおすすめします。
削除依頼や裁判手続きだけでなく、対処法や今後の方針についてアドバイスが受けられます。

名誉毀損罪・侮辱罪に該当している場合は、各都道府県のサイバー犯罪相談窓口に相談しましょう。
投稿者の刑事責任を問うのに有効です。
ただし、刑事告訴では損害賠償のような金銭補償はありません。

憲法においては、表現の自由が重要な権利として認められていますが、プライバシー権や名誉権などとの兼ね合いにより、どんな表現も認められる訳ではありません。
とくに、インターネットにおける誹謗中傷は、名誉毀損罪や侮辱罪などの罪に該当する可能性があります。

いわれのない誹謗中傷などにより炎上した際は、削除依頼などの対策を採るほか、『オンライン評判管理対策』の導入などもご検討ください。

誹謗中傷を受けたときの法的対応を含めた対処は重要ですが、その間いわれのない風評被害などにより売り上げの低下や株価の下落などが起きるリスクがあり得ます。

『オンライン評判管理対策』では、企業のブランディングに役立つ情報を発信することで誹謗中傷サイトの露出を防ぎ、炎上被害の対策が可能です。

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